契約恋愛~思い出に溺れて~
「どうしよう」
聞ける相手といえば、達雄くらい。
だけど、達雄とももうしばらく話もしてない。
じゃあ直接英治くんにかける?
でも、それはなんか、恥ずかしいというか怖いというか……。
悩んだ末、すがるような紗優の眼に促されて、私は達雄の電話番号を押した。
八コールぐらいして、諦めようかと思ったころ、電話がつながった。
『もしもし……?』
達雄の声はものすごく低く、何か様子が変だった。
「た、達雄? あの、横山ですけど。突然ごめん」
『イヤ。どうかしたか?』
私の名前を聞いて、少しだけ声の調子が上がる。
「何かあったの?」
『いや、そっちこそ。どうした?』
「あの、え、……英治くんのメールアドレスって教えてもらえる?」
『英治の?』