契約恋愛~思い出に溺れて~
「……おじちゃんのえ」
「キャッチボールのおじさん?」
「うん、そう。あのねママ、サユねぇ、あのとき、うれしくって。だからかいたの。
これ、おじちゃんにみせたいな」
「紗優」
私は一つ溜息をついて、紗優の肩を触った。
「あのね。あのおじさんとはお友達なんだけど、紗優のお父さんになってくれる訳じゃないの。だから、あんまり迷惑はかけれないの」
「うん。あの、みせたいだけ。あいたいわけじゃなくて」
「……紗優」
私は溜息をついて考えた。
見せるだけなら、メールで送ってもいいのか。
「じゃあ、携帯で写真撮って送ろうか」
「うん! それでいい!!」
「よし、じゃあ待ってて」
私は充電するために棚に乗せておいた携帯を取り出した。
ピントを合わせて写真を撮る。
画面にうつった紗優の絵は色鮮やかで綺麗だ。
そうして、メールを送ろうとして、自分が英治くんの電話の番号しか知らない事に気付いた。