契約恋愛~思い出に溺れて~
「紗優、でも、おじちゃんはお父さんになってくれる訳じゃないからね」
「うん。わかってるよう。このあいだもきいた」
「そうだね」
何度も言い聞かせてるのは、紗優にだけじゃない。
自分にもだ。
英治くんは私を好きにはならない。
それに。
ユウを忘れられない私に、
他の人を好きになる資格なんかない。
だから、浮かれちゃ駄目なんだ。
その決意を呑みこむように、私は大きく息を吸い込んだ。