契約恋愛~思い出に溺れて~
少し考えてみる。
まあそうだろう。
傷ついた時に優しくされたら、何だか頼りたくなるもの。
「そうじゃない? 辛い時、傍にいてくれたら嬉しいと思う」
『でも紗彩ちゃんは俺はいらないって言ったじゃん』
「いらないなんて言ってないわよ」
『突き放したじゃんか』
達雄と別れた日のことを言ってるんだろうか。
だけどあの時の気持ちは、説明できない。
あなたで頭が一杯になったから逃げ出した、なんて。
そんなこと言ったら、……告白みたいなもんじゃない。
「えっと……とにかく、普通はほだされるわよ。そういうもん!!」
やや投げやりに言うと、クスクス笑うような声が聞こえる。
もうなんだか、……恥ずかしい。