契約恋愛~思い出に溺れて~


「紗優、一緒にお風呂入ろう。食べ終わるの待ってて?」


私の声に頷いて、紗優は椅子から降りてリビングに向かう。
その後ろ姿を見ながら、母が溜息をついた。


「最近ちょっと我儘になってきたね」

「ちょっと、母さん」

「今日だけじゃないんだよ。最近、言いたいことを言うようになってきて」

「だって子供だもの。それで当たり前じゃない?」

「でも前のあの子はそうじゃなかったんだよ。
ちゃんと言うこと聞く子だったのに。……あの人と会うようになってからじゃないか?」

「あの人って?」

「アンタの相手。この間あの人と一緒に出かけてから、紗優、前より我儘になったよ。悪い影響受けてるんじゃないだろうね」

「母さん……やめてよ」

「アンタも男を見る目ないからねぇ。
優さんだって仕事もちゃんとしない人だったし。その人は大丈夫な人なんだろうね」


いつものようにユウの事を悪く言われて、私は苦い思いで反論する。

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