契約恋愛~思い出に溺れて~
ここはホテルの11階。
薄闇に包まれた世界に光る数々の人工灯はとても綺麗で、光の海が広がっているかのように見える。
「すごい、すごい!! サユこんなのはじめて!」
はしゃぐ紗優を宥めて、お風呂にいれる。
と言っても狭いから、紗優一人に入らせて、髪を流す時だけ手伝うだけだけど。
「紗彩ちゃんも入っておいでよ」
なんて彼が笑うから。
風呂上がりの紗優を任せて自分もシャワーを浴びる。
何だかすっかり家族みたいなのが、こそばゆい。
その後、英治くんと交代して、私は髪を乾かして、紗優を寝かしつける。
彼が出てくる頃には、紗優は寝息を立てていた。