あの夏の僕ら
~七夕の日に~
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7月6日
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七夕前日、
君の部屋は何時もと違って騒がしかった。
立ち尽くす僕は、見てるだけ。
『───…… 』
君が声を振り絞って僕の名前を呼ぶ。
掠れていて、辛そうだった。
息を荒くして、必死に僕に何かを伝えようとしていた。
僕は、君の声に神経を集中させ、君の言葉を待った。
『……七夕、明日…だね。楽しみ………だけど、ごめん、無理みたい』
ごめん無理みたい、なんて笑うけど、僕は笑えなかった。
『………短冊、吊るしておいて。願い、叶えたいから。』
ニッと笑い『絶対に見ないでね』って──…。
僕は頷き、声を上げて泣いたんだ。