2 in 1

悪夢

翌日、宇美は教室に入った時、クラスの様子がなんだかおかしいように思えた。何となくだが、みんなが宇美を避けているような感じがした。宇美を見てひそひそ話をしている連中もいる。一体この寒さは何だろう。すぐに宇美は周りの視線がいつもと違うことを察した。宇美は机の前に行った時、ア然とした。
“木村ホモ!”
白いチョークで書きなぐられた文字、さらに黒板には、相合い傘に木村と速水が書かれていた。
「アッハッハッハー。」
宇美が気付くのとほぼ同時にクラス中が笑った。宇美は教室を飛び出した。頭が真っ白になった。やっぱり昨日の告白が原因か。でも、何でそれをクラスメートが知っているのか。“一”がばらしたという以外は考えられなかった。
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