2 in 1

病院

宇美は気がつくと、ベッドの上にいた。うっすら目を開けると、右腕には点滴の針が刺さっていた。死ななかったのか。宇美はまだぼんやりした意識の中思った。
「宇美ぃー、気がついたのね。無事でよかったぁ。」涙で化粧崩れした公の顔が飛び込んできた。宇美は口元を左右にひくと、小さく頷いた。
「速水先生が助けて下さったんですって。一体どうしたっていうのー?」
公の泣き声混じりの言葉が耳に入ってきた。宇美は天井を見上げて、速水の優しい笑顔を思い浮かべていた。
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