追憶〜逢いたい人へ〜
『絶対、古田のこと好きでしょ?』

突然、背後から探りを入れてくるのは…“牧野智子”

私の親友だ。


『ちっ違うよ!たっ単に好みが一緒なだけで…』

って否定はしてみたものの、いきなり確信をつかれて焦る…

どもる…

声が裏返っちゃってるし…

『別に隠さなくても…
誰にも言わないし…
っていうかバレバレ!!』
呆れ顔で牧野は言った。


『えっ?!千代は伊勢谷と付き合ってるんじゃないの?』

その一部始終をどこで聞いていたのか、突然またまたビックリ発言をするのは、“伊田麻美”

もう一人の親友だ。


『はぁ〜?!違うし!それって誰情報?』

そんな噂、聞いたことない。寝耳に水だった。

『えー!違うの?みんな噂してるよ。
超頭の良い伊勢谷と、超おバカの千代が付き合ってるって…』


『ちっ違う!絶対、違う!』

頭も手もブンブン振りながら全身で否定した。

なんか、腑に落ちない麻美は

『でもさぁ〜、夜、よく一緒にいるよね?』

……ってまだ言うか!情報屋め!!!!

『ガセネタ!!夜は塾が一緒なだけ!』

……冗談じゃない!
勇に知られたら今までの苦労が水の泡だよぉ!

『ちゃんとガセネタだって流しておいてよね!』

私は麻美に念をおした。

本当はかなり焦ったけど焦った顔をすれば信じてもらえないだろうと思った私は、動じてない、冷静な顔を作っていた。
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