キスはおとなの現実の【完】
わたしはケータイ電話をかばんのなかから抜いた。

化粧のくずれたぐちゃぐちゃの本音の顔で、真っ暗闇の空を見あげる。

秋の夜空はどこまでも空気が澄んで、真っ暗闇の階段のずっとうえまで見えるような気がする。

うん……

今ならたぶん、心の底からはっきりいえる。

サクラやほかの人たちと違う生きかたを選んだことを後悔なんかしていないって。
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