キスはおとなの現実の【完】
「どうしたの。こんな時間に」

わたしは電話のむこうのサクラにいった。

サクラとは高校時代いつもいっしょにすごしていたが、卒業してからはめっきり疎遠になってしまった。
今ではほとんどメールもいれたりしない関係。

もっとも、それもしかたのないことなのかもしれない。

わたしは就職、サクラは四年制の大学に進学した。
歩みのスピードどころか、足をむける方向じたいが違ってしまったのだ。

わたしにとってサクラは数すくない友達なのに、そういう事実は友人関係に絶対的な壁をつくってしまう。

なんというか妙にさみしい。
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