藍色の城
【秘密の始まり】



歯車はギシギシと音をたてて
静かに狂い始めていく────。






運命の悪戯か。
それとも与えられた宿命なのか。



お店の前で重なる視線。



え…?なんで…?
コウくん…だよね?



お客を1人見送った後、
私の視線はキミを捉えている。



忘れかけていた想いが
フツフツと再燃しだした気がした。
自分にセーブをかけながら
二言三言交わして
背を向けたけど、再び声を
かけられた時。



やっぱ戻れないと思った。



身体が、心が、勝手に動く。



キミの携帯に番号を登録した。
わざと。



陽に問いつめられたら
ソレ相応の理由は付けられる。
大好きな恋人の弟だもん。
大事にするのは当たり前でしょ?






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