空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜







一瞬 空から
まっすぐに入って来た日差しの下



アイちゃんの体が輪郭から
ビーズみたいに砕けて行き
シャラシャラと周囲に溶けて行く





ボクは叫びながら
その粒のカケラを、ひとつ残らず
かき集めようとしたんだけど





その光の粒たちは
右往左往しながら
やがてひとつの球になり



涙みたいな痕と
風鈴みたいな音色を残して



驚き目を覚ました、ユウくんの体を
すごい速さで擦り抜けて行った






一斉にセミが鳴き出し

暗雲は一気に晴れ

巨大なオーロラのカーテンが天を覆う






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