バニラ
そんなに見つめられたらやりづらいんだけどなあ…と思いながら、俺は彼女に自分の唇を寄せた。

チュッ

「――えっ…?」

彼女が顔を紅くして、頬に手を当てた。

「んっ、どうしたの?」

そう言った俺に、
「――ほっぺだけ、ですか…?」

彼女が呟くように聞いてきた。

この子はあんまり経験ないのかなと思いながら、
「足りないの?」

耳元で彼女にささやいてやると、彼女は慌てたようにベッドに自分の躰を沈めた。

すぐに彼女から寝息が聞こえた。
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