オシャレな涙『私の気持ちに気付いて…』
針の先に落ちた雫は、しばらく消えなかった……… もしこの雫が美咲さんの涙だったとしたら、いったい美咲さんは何を伝えたいのだろうか……


「亮…… 美咲さんは、あんたの事を憎んだりした事は一度もないと言ってるわ…… ただ、ずっとずっと亮の側にいたかったって……。」

おばさんには美咲さんの声まで聞こえてるの……!?


「俺だって…… 俺だって、ずっと美咲の側にいたかった…… でも、もうお前は俺の側にはいない……。」


「亮、もう一つ美咲さんからのメッセージがあるから、ちゃんと聞いてなさい…… 亮、たとえ貴方に私が見えなくても、私はずっと貴方の幸せを願ってるからって…… 亮に涙なんか似合わないから、もう笑ってほしいって言ってるわよッ。」


「美咲はいつでも誰にでも優しい奴で、自分の事より人の事ばかり考える奴だったんだよ…… 天国に逝ってしまってからも、俺の事を、俺の事を……。」


亮さんの目からは、大きな涙の粒がたくさん流れていた…… 時計の針についている雫と同じで、キラキラとした綺麗な涙だった………


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