秘密な彼氏
それは、おとといの夜のことだった。

「あやめ、明日夜勤だから」

毎度おなじみのボクサーパンツ姿で、隆志はそんなことを言った。

「えっ、何で?

珍しいね」

そう言った私に、
「この前の…」

隆志が呟くように言った。

この前って、何かあったかしら?

「ほら、あやめが不機嫌になってたヤツ」

隆志が言った。

ああ、あれかと私は思い出した。

「で?」

そう聞いた私に、
「その代償で、彼女に夜勤を押しつけられた」

隆志が息を吐いた。

仕方ないでしょ、自分がやったんだから。
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