秘密な彼氏
隆志の表情が変わった。

「――何で…?」

そう言った隆志の声は震えていた。

「ごめんって言っておいてって、言われたの」

そう言った私の胸の中が気持ち悪かった。

夕飯を食べ過ぎたんだと思うことができたら、どんなに楽なのだろう。

簡単に言うなら、すごくモヤモヤする。

「隆志、沖津さんにすごく愛されてたんだね」

唇が、勝手に動いた。

「どっちも選べなかったって、言ってた」

誰かに言わされているのだと、私は思いたかった。

こんなことを言ったって、隆志を怒らせるだけなのに…。
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