秘密な彼氏
その日の夜。

――もちろん、私だって隆志のことが好きだったわ!

沖津さんの言葉が頭から離れられなかった。

好きなら、どうして旦那さんの方を選んだの?

私が沖津さんの立場だったなら、迷わず隆志を選ぶよ。

好きなんだから、当たり前じゃない。

「あーやめ♪」

ギシッとベッドが音を立てた瞬間、隆志が乗ってきたのがわかった。

「あのさ、隆志…」

「んっ?」

沖津さんは、隆志のことを何でも知っている。

たぶん、私よりも隆志のことを知っている。

それは、躰の関係になっててもおかしくないくらいだ。

「どうしたの?」

隆志が私の顔を覗き込んできた。

「――沖津さんに、会った」
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