秘密な彼氏
「つきあってた彼女がさ、二股してたの。

結婚したいくらい彼女が好きで好きで仕方がなかったのに、今日あいつにプロポーズしたらとっくの昔に結婚してたんだよ。

つまり俺はキープ、遊び相手にしか過ぎなかったってこと」

ブツブツと独り言みたいに言う彼に、言葉が見当たらない。

って言うか、どう返せばいいの?

「誰も俺の気持ちなんかわかんねーんだよ…」

そう呟いたかと思ったら、寝息が聞こえた。

「えっ?」

寝ちゃったの!?

勝手に家の前で寝られても困るんですけど!?

だけど起こしても、もう起きないだろうな。

「仕方ないなあ」
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