秘密な彼氏
視界が変わったと思ったら、目の前に隆志の顔があった。

えっ、何!?

唇同士が触れているところを見ると、これは完全にキスだ。

「――んあっ…」

舌が入ってきて、口の中をなでる。

それだけで、頭の中がクラクラとし始めた。

キスだけで意識が飛んでしまいそうだ。

頭の中がぼんやりとしかけたその時、
「――ひゃっ!」

ビックリして、思わず唇を離した。

「ビックリした?」

ペロリと舌を出し、隆志は甘い笑顔を浮かべている。

「――ビックリしないって言う方が間違ってる…」

口の中で冷たく溶けるそれに、私は返す言葉が見当たらない。
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