秘密な彼氏
「あのさ、隆志」

私は隆志に声をかけた。

「何?」

「今日隆志のいとこって言う人に会った」

言った瞬間、隆志が躰を離したと思ったら見つめられた。

「…毅兄さんに?」

そう言った隆志に、私は首を縦に振ってうなずいた。

「えっ、何で?」

「まあ…ね?」

と言うか、どう説明すればいいの?

隆志と間違えて声をかけたなんて、そんなこと言える訳ないよね。

「とりあえず、会っちゃった…って、きゃあ!」

ヒョイッと、隆志が私の躰を持ちあげた。

えっ、どうしたの!?
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