秘密な彼氏
隆志がベッドから下りた。

床のうえに散らばっていた下着とズボンを身につけると、玄関に足を向かわせた。

ガチャッと、ドアが開いた音がした。

「あ、毅兄さん!」

ええっ!?

私はふとんの中に隠れた。

毅兄さんって、ウソでしょ?

上原さんが訪ねてきたってこと!?

「久しぶりだな、隆志」

「お久しぶりっす」

和やかな会話をしている2人だけど、私は気が気じゃない。

「近くに営業にきたから、ちょっと寄ってみたんだ」

いや、寄ってみなくて結構です!
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