秘密な彼氏
「あの、言っておきますけど…」

喜んでいる彼に、私は言った。

「何?」

「私…男の人とつきあうのは、初めてですよ?」

今の今までそう言うことに無縁だったから、おつきあいの基本なんてわからない。

それでも彼――隆志は、
「構わないさ!」
と、明るく言ったのであった…。


同棲に首を縦に振ってうなずいた翌日は、本当に大変でした。

隆志が住んでいたマンションを売り払って、荷物と一緒に私のところに転がり込んできたからだ。

そのうえ、同棲開始からわずか1ヶ月でファーストキスと処女を奪われる始末である。

何でしょう、このトントン拍子ともとらえられるようなスピードは。
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