秘密な彼氏
ドキッと、心臓が鳴った。

「あやめだから、好きなんだよ」

気持ちが、初めて伝わったような気がした。

気持ちが伝わると、こんなにも嬉しいんだな。

「私だって」

そう言った後、自分から隆志の胸に飛び込んだ。

「私だって、隆志が好き」

顔を見ながら言うのが恥ずかしかったから、胸の中で言った。

「あやめ、かわい過ぎ」

顔を覗き込まれたと思ったら、唇が重なった。

さっきの触れるようなものじゃなくて、深いのだ。

私は迷わず、隆志に任せた。
< 23 / 170 >

この作品をシェア

pagetop