秘密な彼氏
そう思った時、
「ったくよー!」

隆志に抱きしめられた。

あ、あれ?

さっきまでの剣幕はどうしたの?

怒っていたのがまるでウソのようないつもの態度に、私は戸惑った。

「俺にウソをつくなんて100万年早いっつーんだよ。

俺がついてったからよかったけどよ」

そう言った隆志に、私は耳を疑った。

えっ、ついてきたの?

私、全然気づかなかった…。

「あやめ…」

消え入りそうな声で隆志が私の名前を呼んだのと同時に、唇が優しく重なった。

やっぱり、私には隆志しかいないんだ。
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