なんと知的な口説き方をするのか!

「でも、そういうロマンチックなの、結構好きかも」


私が笑うと、彼は、私の方へ視線を移す。

その、真っ黒な瞳に、吸い込まれて、閉じ込められたいです。





「………もし、仮に、プラトンのことが本当だったとしたら」



不意に、めがねくんが私の髪を撫でる。



「めがねちゃんは、誰と一緒がいい?」



微笑む彼の表情は、相変わらず優しいけど、なんだか少しいじわるに見えた。


撫でられる髪が、梳かれる髪が、頭皮が、身体全体が、緊張する。こんなに寒いというのに、変な汗が出た。



顔が熱い。




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