【短】クリアネス-未来へ-
俺はまた学校を休み始めた。
再発した、不登校癖。

卒業間近で発生したこの問題に、担任の動揺はかなりのものだっただろう。

それは、原因である俺にもひしひしと伝わった。



『……隼人くん、もうすぐ卒業だから学校来てみないかな?』


担任から電話がかかる。

受話器から聞こえる気弱な声。
腹が立つ。



『作文もそろそろ提出してもらいたいし……クラスの42人中、未提出は隼人君だけなんだよ?』



勘違いしているのだ―――この、教師歴二十年とかいうオッサンは。


“将来の夢を書きましょう”


そんな希望に溢れた提案さえすれば
当然42通りの夢がずらりと並べられるものなのだと。



「僕のページは無くてもいいので、そのまま文集を完成して下さい」


卒業式には出ますから。
そう言って、俺は電話を切った。
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