戦国彼氏
―――――――………

外はもう真っ暗。


街灯があるだけの明かりの中で、唯井新政は静かに笑う。


「お前の家族はおもしろいな。」


「えー… そう?」


苦笑いする私を見て、うん。と頷く。


「お前のお母さんも綺麗だったし。」


「は!?ちょっとーッ!」


「……はは。俺は母親いないし。大切にしてやれよ。」



「う…うん…」


笑っているけど悲しそうな目。


今から家に帰っても…誰もいないのかな…



「じゃあ。」


唯井新政はそう言うと歩き出す。



私はその寂しい後ろ姿が心配でつい叫んだ。


「新政ーーーッ!!また、家にご飯食べにきてねー!!」




唯井新政は立ち止まって振り返る。


「そのときは清ちんもミネちゃん達も呼んで、チーズフォンデュパーティーしようねーッ!!」








「………おう。」




暗闇の中で、唯井新政は微笑んだ。






私はいつまでもその後ろ姿を見守っていた。





…唯井新政…


まだよくわからない、謎な奴けど…なんか良い奴だ。




その時私はあるコトに気がついた。





私は…初デートを自分家でしてしまった…ッ!!








まぁいっか☆楽しかったし。
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