銀杏


「……そうだな。
本当に、君の言う通りだよ。
確かに俺のやり方は間違っていたかもしれないな。
………しばらく時間をくれないか。
色々と考えたい。
咲には何も言わないでくれ。折を見て俺が連絡する。
…それでいいか?」

博貴の前向きな答えに安堵し頷いた。

「なるべく早く咲に…お願いします!」

その言葉に彼は微笑んだだけで店を後にした。



博貴と会って、咲から何らかの連絡があると思っていた。

でも一向に連絡はなく、時だけが過ぎていく。

もらった名刺には会社の電話番号とケータイ番号、ホームページのアドレスが載ってる。
会社に電話をかけてもいつも不在で、伝言を頼んでも全く連絡がない。ケータイにかけても留守電ばかり。
お手上げ状態だった。

一体どういうことだ?
あの時分かってくれたんじゃなかったのか。
それともまだ気持ちが決まらないのか。

大きく息を吐いた。




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