四竜帝の大陸【青の大陸編】
私より背の高い、タンポポに似た花や、小指の先くらいしかない白い百合。
5センチ位のミニミニかぼちゃが鈴なりの木は、葉がプラスチックみたい。
見るもの全部が、すごくおもしろい。

『でも、触ったり香りを嗅いだら駄目なんだいね。うう~、我慢我慢』

薬草の中には、毒性のあるものもあるから絶対駄目だってハクちゃんに言われていた。
確かに……このりんごなんで紫に茶のマーブル模様で怪しすぎる。
しかも地面から螺旋状の青い茎が伸びて、その先に逆さまにくっついてるなんて。

『き、気持ち悪いかもっ……ふふっ』

綺麗な花、変な草、気持ち悪い実。
かなり、楽しい。
 
周りの木々は秋の風情なのにここだけは緑に溢れて綺麗だけど、不自然だった。
時期外れのものは、旬のものより美味しくなくても高い値段でスーパーに並ぶ。
私はそういった果物は、買わなかったけど。
薬草……必要な薬なら。
高くても買わなきゃならないから、売れると思う。
お金持ちしか買えないんじゃなく、一般人にも買えるように生産力を高めて欲しい。

『ん、これも面白い! 葉っぱが分厚い手袋みたいで、花が私の頭サイズ級紫陽花!?』

色はスタンダードな青で、綺麗だった。
今度は図鑑を持ってこよう、うん。
名前や効用を調べながら見学すれば、もっとおもしろ……え?
 
突然。
目の前の空間が歪んだ。
グニャって、曲がり。
 
ドスンッ。

重い音と同時に。
布の塊が……これって。

『……に、人間?』


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