四竜帝の大陸【青の大陸編】
「済まなかった、ダルフェ。私のミスだ。陛下とヴェルヴァイド様には、私が罰を乞う。パス達は許してやってくれ」

深々と、群青の頭を下げられて。

「……」

逸れてしまった思考を力ずくで、戻した。
今、考えなければならないのは。
<竜帝>達の事じゃない。
旦那と姫さん。
この2人が最重要だ。
カイユ……アリーリアと胎の子の為に。
世界を、遺す。
旦那に、世界を放棄させたりしない。

姫さん。
頼むから、世界を見捨てないでくれ。
俺は、アリ−リア達を最後まで護ってやれないから。
俺に残された時間は、けっして長いものじゃない。
姫さんに、託すしかない。

「……お前ら全員、風呂入って血の匂いを落として来い。姫さんの昼食後、顔合わせをすんから。俺が旦那に許可とっとく」

愛しているよ、アリーリア。
そして、胎の中で眠る俺の子よ。

「姫さんが側にいりゃあ、旦那はおとなしいもんだ。お前らを<処分>しやしないさ」

今も昔も、これからも。
愛しているよ、ブランジェーヌ。  

「ヒンデリン! 手土産に花を持って来い。姫さんには宝飾品なんかより、そーゆーもんが効果的だかんな」
「……承知した」

 
愛しい君達に、この世界を遺す。








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