四竜帝の大陸【青の大陸編】
薄いピンクのハンカチで、お手手を拭き拭きする小さな白い竜の姿はめちゃくちゃ可愛かった。
可愛かったんだけど……。

「おい、じじい! 俺様をばい菌扱いしやがったなぁあああっ~!!」

竜帝さんはダルフェさんに手を借りながらよろよろと立ち上がり、叫んだ。

「まあまあ。こんななりでも陛下も一応、雄竜なんすからぁ。旦那が手を洗ったって当たり前ですってぇ~! しっかし陛下ぁ、3年ぶりに人型拝見しましたが、相変わらずちびっすねぇ」
 
ダルフェさんはにやりと笑って、竜帝さんの頭を撫で撫でして言った。

「こんなんだから、人間の男に求愛されたりするんすよ? 背が無いんだから、もっと筋肉つけましょうや」

え?
きゅ、求愛!?

女神様な竜帝さんだけど、男の子でしょう?
ちょ、ちょ、ちょっとっそれって!?
うふふ……ちょっと、詳しく聞きたいかも。

「ダルフェ! てめっ、それはっ!……ちが、違うんだおちびっ、そんな眼で俺様を見るなぁぁあああ!」 

竜帝さんは宝石のような青い瞳で、まだ手を拭いているハクちゃんを睨み付けた。

「おい、ヴェル! 俺様になんかくれるんってんなら、てめえの身長をよこしやがれー! 20……10セテでいいから、くれぇええええ!!」
「……竜帝さん」

その悲痛な声に。
魂の叫び(?)に、踏み台愛用者の私はまたまた親近感を感じてしまった。

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