四竜帝の大陸【青の大陸編】

67

私は、ハクちゃんといたした。
まさに<水の滴るような良い男>状態のハクちゃんと……今度はちゃんと、最後までした。

もちろん、怪我なんかしていない。
記憶も無くならなかった。
ちょっとあやふやな部分もあるけれど、それは……私の所為じゃないと思う。
 
私が初心者だからじゃなく、あんなことされたら誰だって……まさか、あれくらいは竜族では普通なのかな?
いたした後は心身共に、疲れ果てた。
正直、いつ『終わった』のか良く分からないけれど。
ふわふわする意識の向こうでハクちゃんが寝てて良いって言ってくれた声が聞こえたので、お言葉に甘えて遠慮無く寝てしまった。

そして、気分爽快すっきり目覚めると……アイボリーのガウンを羽織り、ベットに腰かけて私を覗き込んでいたハクちゃんがおはようって言って、キスしてくれた。
ハクちゃんの目元が、普段より微かに色づいてることに気がついて……心臓がドキドキした。
そこに触れてみたくなり、寝たまま手を伸ばそうとして自分の身体の異変に気づいた。
寝起きは悪いほうじゃないのに、なぜか身体がうまく動かせない。
身体の内側がほわほわというか、じんじんというか。
気分はとっても良いのに……唇もしっかり動かせなくて、おはようって言えなくて。

「……ぁ、ハ……?」

ハクちゃんは戸惑う私をそっと引き寄せ膝に乗せ、顔中に唇を落とながら髪や背中を優しく撫でてくれた。
素肌に触れる大きな手の感触に内心、かなり照れつつも……眼を閉じて、うっとりしてしまった。
とても気持ちが良くて、自分が猫にでもなった気分だった。
咽喉を鳴らして、もっともっととおねだりしちゃいたいくらい。
身体にたいしての不安感はなかった。
この感じは……ハクちゃんのかけらを食べた時に、良く似ていたから。
 
あぁ、私はこの人に愛されたんだ……って、改めて実感した。 
徐々に感覚もしっかりしてきて、身体も動かせるようになってきたので自分からハクちゃんにキスをした。
心を込めて、‘ちゅう’をした。
ハクちゃん的表現だと、まさにらぶらぶな良い雰囲気だったのに。
 
ーーぐぐぐぎょ~うぅ。

「りこ……今、腹が鳴ったな?」

私のお腹が鳴った。
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