四竜帝の大陸【青の大陸編】
「つまりお前が大陸を移動しないと、ヴェルも動かないんだ。でも<約束>は守ってもらわなきゃなんねぇから、おちびに<黒>の所に移ってもらう。……<黒>はもうすぐ代替わりするんだ」

ハクちゃんの<監視者>ってお仕事は、世界中に出張(?)するってこと?
独身時代(なんか違うかな?)は出かけたっきり、世界中の竜宮で自由気ままにぷらぷらしてたけれど。
今のハクちゃんはつがいである私の所からお仕事に行き、私の所に帰ってくる。
だから私自身が、黒の竜帝さんお城に居る必要が……黒の竜帝さんが代替わり?

「竜帝さん。代替わりって、引退?」

代替わりって、子供さんに地位を譲るって事?

「ちょっと違うな。今の<黒>はもうすぐ死ぬんだ。新しい<黒>に変わるんだ」

そ、死ぬ!?

「黒の竜帝さん、死んじゃうの!? 病気?」

そんなっ、死んじゃうなんて……。

「老衰だ。まあ、すぐにぽっくり逝くわけじゃねぇし。黒の爺の次に歳食ってんのは<赤>だけど、あのおば……<赤>の姉ちゃんは、まだまだ現役だ。だからおちびはこれからの人生……かなりの期間を次代の<黒>んとこで過ごすことになる」

竜族はとても長生きだって言ってた。
人間の私は黒の竜帝さんの大陸で、寿命を迎える事になる。
そう言いたかったんだね、女神様。
貴方は優しいから。
ハクちゃんの前で私の寿命……死を口にするのを、避けてくれた。

「俺の大陸の事より、あっちの大陸の事を知ったほうがいいだろう? 俺様の所とあそこは……嫌になるくらい、全く違う。<黒>ん所は戦も多いし、四大陸の中でもかなり特殊だ……おちびには、俺様の大陸の方が性に合ってると思う。あんな大陸に……すまん」

竜帝さんは青い眼を伏せ、艶やかな唇を少しだけ噛んだ。
戦……黒の大陸って、いったいどんな大陸なんだろう?
竜帝さんは黒の大陸に、良い印象を持っていないみたいだし。
でも、大体は分かった。
私は青の大陸から黒の大陸に、お引越しが決定したってことだよね?
カリキュラムが変わるのは、私の生活する場所が変わるから。
この大陸についての知識だけじゃなく、引越し(?)先の事を予習しておくべきってことになって……。
ハクちゃんは人間の日常生活に疎いので、私自身ががもっとしっかりしないと困るだろうと……女神様はなんとも言えない、微妙な表情で言った。





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