四竜帝の大陸【青の大陸編】

SS~鯰のナマリーナ~

「これがナマリーナ嬢のご飯なの!? ……ぶぐっ」

 目の前に置かれた金属製のバケツの中には、謎の物体が入っていた。
 灰色の粘土にマーブルチョコが加えられ……ううっ、なんか気持ち悪い。
 それに、臭~い!
 思わずハクちゃんの背中に隠れた私に、女神様は言った。

「失礼な奴だな。これはな、俺様が作ったスペシャル配合飼料だぞ! おちびの鯰なんだから自分で餌をやれ。で、これからはいろんな配合をナマリーナで試すから、食いつき等のデータをとっとけよ?」

 そういう竜帝さんだって、ごっついマスクしてるじゃないですかー!
 でも、言えなかった。
 私は自分の口・鼻をしっかりと押さえていたので……。


 

 竜帝さんは今日は特に忙しいらしく、足早に去って行った。
 ナマリーナ嬢、お腹空いてるだろうし……がんばれ、私!

「りこ。大丈夫か?」

 ハクちゃんの白皙の美貌は、全く変わらない。
 平然として、臭いとも言わない。

 鼻がいいのか、悪いのか……謎だよね。

「う、うん。なんとかなる……します!」

 ハクちゃんの背中から出て、ハンカチを簡易マスクにしてバケツに近寄った。

 ぶぶおうっ!?

 目に匂いが染みる~、なんて強烈!

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