四竜帝の大陸【青の大陸編】
出てきたのは真珠のようなかけらが連なった……紐? 鎖?
 
「うむ、上出来だな!」

ハクちゃんは満足げに眼を細めた。
用意してあったハンカチで丁寧に拭いた後、自分で回転して全身にくるくるとそれを巻きつけた。

次々と目の前で展開される、旦那様の奇行……。
私は呆気にとられ、呆然とその様子を眺めていた。
そんな私の手に、ハクちゃんはかけらチェーンの片方の先を握らせて言った。
 
「りこの希望通り、我からのプレゼントは我だ!」
「え?」

プレゼント?

私の希望……あっ!

「ハクちゃん……」

真珠(本当はかけらだけど)の鎖でぐるぐる巻きになって、床にコテンと転がった旦那様は。

「りこ。さあ‘どうぞ’なのだ」

上目遣いで、そう言った。
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