四竜帝の大陸【青の大陸編】
まるで。
それじゃあ、まるで。
「私が父を貴女から遠ざけたのは、ヴェルヴァイド様の蜜月期の雄竜であるがゆえの性質を、父が利用するのを恐れたからです」
利用……どういうこと?
「母は殺されたのです、人間に」
それは、私も知ってる。
竜帝さんが話してくれたから。
お母さんのことと、ハクちゃんを‘利用’するっていうのと……繋がりが?
「あの皇太子が初めて帝都に来た時に同行した、王宮術士の女に殺されたんです。生きたまま腹を裂かれ臓腑を荒らされ、竜珠を奪われました」
「……カ……イ…」
そ……んな。
「あの女は母にうまく取り入って‘お友達’になり、母を騙して……殺したんです」
そんな……知らなかった。
「私の父は、あの女を連れて来た皇太子を憎んでいます」
惨い殺され方をしたって言ってた。
惨い?
惨いなんて言葉ですむことなの!?
「陛下は皇太子を殺すことを、父に<主>として禁じています。ですが最強の存在であるヴェルヴァイド様が城内にいらっしゃるので、竜騎士が本能的に持っている竜帝陛下への<恐怖>による服従心が薄らいでしまうのです」
待って。
よく分らない。
蜜月期で危険なハク。
ダルド殿下の連れてきた術士に、お母さんは殺された。
だから、セレスティスさんはダルド殿下を怨んでいる。
殺したいほど……それを竜帝さんは、禁じて……。
命令……拘束力……恐怖による服従心?
「陛下がダルフェにあの皇太子の警護を命じたのは、父からあの皇太子を守るためです。陛下は政務がありますから、四六時中あの皇太子に構っていられません。陛下以外に父を止められるのは<色持ち>のダルフェのみ」
待って、カイユ。
まだ頭と心が、まとまらないの。
「父の望みはつがいとしての復讐。あの人は私の<父>である前に、ミルミラの<セレスティス>だったんです。復讐心を……‘望み’を越えるあの人の強い‘願い’は……」
望みは、復讐。
じゃぁ、願いは……願いは?
それじゃあ、まるで。
「私が父を貴女から遠ざけたのは、ヴェルヴァイド様の蜜月期の雄竜であるがゆえの性質を、父が利用するのを恐れたからです」
利用……どういうこと?
「母は殺されたのです、人間に」
それは、私も知ってる。
竜帝さんが話してくれたから。
お母さんのことと、ハクちゃんを‘利用’するっていうのと……繋がりが?
「あの皇太子が初めて帝都に来た時に同行した、王宮術士の女に殺されたんです。生きたまま腹を裂かれ臓腑を荒らされ、竜珠を奪われました」
「……カ……イ…」
そ……んな。
「あの女は母にうまく取り入って‘お友達’になり、母を騙して……殺したんです」
そんな……知らなかった。
「私の父は、あの女を連れて来た皇太子を憎んでいます」
惨い殺され方をしたって言ってた。
惨い?
惨いなんて言葉ですむことなの!?
「陛下は皇太子を殺すことを、父に<主>として禁じています。ですが最強の存在であるヴェルヴァイド様が城内にいらっしゃるので、竜騎士が本能的に持っている竜帝陛下への<恐怖>による服従心が薄らいでしまうのです」
待って。
よく分らない。
蜜月期で危険なハク。
ダルド殿下の連れてきた術士に、お母さんは殺された。
だから、セレスティスさんはダルド殿下を怨んでいる。
殺したいほど……それを竜帝さんは、禁じて……。
命令……拘束力……恐怖による服従心?
「陛下がダルフェにあの皇太子の警護を命じたのは、父からあの皇太子を守るためです。陛下は政務がありますから、四六時中あの皇太子に構っていられません。陛下以外に父を止められるのは<色持ち>のダルフェのみ」
待って、カイユ。
まだ頭と心が、まとまらないの。
「父の望みはつがいとしての復讐。あの人は私の<父>である前に、ミルミラの<セレスティス>だったんです。復讐心を……‘望み’を越えるあの人の強い‘願い’は……」
望みは、復讐。
じゃぁ、願いは……願いは?