四竜帝の大陸【青の大陸編】
午前11時。
私はハクちゃんを抱き、椅子に座ったままで彼等を迎えた。

席を立つな・頭を下げるなと竜帝さんに言われていたので、座ったままでいた。
ダルド殿下はやっぱりイケメン君だった。

整いすぎて逆にひいてしまう残念美貌のハクちゃんとは対照的な、誰もが好印象を持つような端整なお顔。

品の良いベージュの膝丈チュニック。
ベルト……帯とかサッシュっていうの?

光沢のある灰青色のサッシュには、紫・金・赤の3種類の飾り紐が絶妙なバランスで合わされていた。
足元はダークブラウンのショートブーツ。
これには足首部分に鋼色のファーがあしらわれていた。
さすが本物の王子様。
文句なしに格好良い。

私と眼が合うとダルド殿下の口が数秒間、1センチ程開いた。
そして。
ぎゅっと、噛みしめるように閉じられた。

あ。
もしかして。

私の眼に、驚いたの?

黒い目が金色になっちゃってたら、誰だって驚くよね。
此処には、カラーコンタクトなんて無いんだし……。


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