四竜帝の大陸【青の大陸編】
「あれは探知能力だけならば、星持ちに値するが」

『網』を帝都中に広げられたのは。

「それ以外は術士として無能だった」

青の契約術士が負傷し、あの男が作り出した帝都を護って『壁』がもろくなっていたからだろう。

負傷の原因は我。

というより、あの程度で半死状態になるクロムウェルの落ち度だな。
我は悪くないのだ。

「例えるならば。ランズゲルグのクロムウェルは昆布、皇女は藻なのだ」

意外に脆弱であったクロムウェルだが。
優秀な術士であることは確かだ。

「こ……昆布、藻? 藻ですか? わかめではなく?」
「藻、だ。わかめはセイフォンの王宮術士ミー・メイだ」
「……昆布に藻。そしてわかめ……私達は第二皇女の話をしていたはずなのですが」

眉を寄せて言うカイユの水色の瞳に濃く浮かぶのは……我にはうまく表現できぬが、これは呆れや軽蔑に近いような気がするな。

「誰が誰のだって!? 気持ち悪い言い方はやめろクソジジイ! それに例えが意味不明で、カイユにも俺様にも理解不能だ!! こんな時は、またまたダルフェにパァアア~スッ!」

<青>は我を掴み、腕を回転させながらダルフェへと投げつけた。

「!? 陛下、やめっ」

我の身体は、ダルフェの後頭部に直撃した。

「痛ってぇええ~っ!!」

<色持ち>ならば避けられた速度であったのだが、未だにカイユに踏みつけられている状態のダルフェは我を避けなかった。

痛みに悶絶するダルフェを見下ろすカイユの満足気な笑みに、ダルフェが避けなかった理由を見た気がした。
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