四竜帝の大陸【青の大陸編】
「<監視者>様……」

我を見上げる潤んだ瞳より。
微かに震える艶やかな唇より。
乳白色の衣装から、せり上がるようにその存在を主張する乳房より。

「………………」

我が気になったのは。
高く結い上げた髪を飾る、大粒の真珠で作られた花。
この真珠のように。
我のかけらでも髪飾りが作れそうだな。

「…………………………」

りこの黒髪を、我のかけらが飾る様を想像していたら。

「なににやけてんですかっ! もしや、あんたも陛下同様巨乳好きなんですかっ!?」

我から皇女を剥がし、<竜騎士>の言動に目を見開く皇女の肩を軽く押し、用意されていた椅子に座らせるとダルフェは言った。

「ハニーに旦那の貞操(?)を死守しろって言われてるんです。俺の目が黒いうちは他の女と乳繰り合うのは許可できませんっ! ま、俺が死んだらジリが見張りますがねぇ……ったく、一応あんただって竜族なんですから、つがいだけにしときなさい!」
「ダルフェよ、お前の目は緑だ。黒くないので、つまりは『許可』しているということか? だが、我はりこの乳以外興味が無いので許可は要らぬぞ?」
「は?」 

ダルフェの口の端が、ひくひくと動いた。
それは、カイユによく似ていた。
夫婦とは。
似るものなのだな。
  
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