四竜帝の大陸【青の大陸編】

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重苦しい空気の漂う真っ暗な電鏡の間に、場違いな声が響いた。

「会いたかったよぉおお、ダッく~んっ!!」
「……ぶぼっ!?」

両手で口を覆い、四竜帝だけでなく愛するハニーの前で無様な様を晒すのを回避した。
俺が噴出す事態が回避されても、目の前のそれは既に回避不可能。

俺が到着する前に青の竜帝陛下を始め他の竜帝達、そしてカイユにも既に見られてしまった状況だからなぁ~。

うん。
ジリギエを連れて来なくて、正解だった。

「ダッ君、ダッ君!」

<赤の竜帝>を映すはずの電鏡には、あるべき姿は見当たらず。
そこの居るのは禁句指定したい“ダッ君”を連呼する、ミルクチョコレートのような目を細めて手を振る人物……あれを人物と言っていいのか!?
両手を左右に動かしているその手は“手”とは言い難い形状をしていた。
翼、いや翼になる前のその独特の形……。

「……父さん」

俺の父親エルゲリスト。
親父は黄色かった。

”ふわふわ”でも“もこもこ”。
そして“ぽてっ”としていた。

ひよこ男。

それは思っていた通り、俺の父親だった。
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