私とネコ(仮)

沈黙が流れ、遠くで昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴っている。

だけど、私達を取り巻く空気は、止まったままで…。

こんな時に、顔を赤らめたり出来れば、金井に伝えられるのかな、なんて思ったり…
こんな無表情で返事をしたところで、金井は私が拒否できず頷いたと自己嫌悪に陥ってしまうかもしれない。
こんな時、私は、自分の不甲斐なさを呪いたくなってしまう。

「…真田~?返事は?」

金井は悲しいような、どこか諦めた様子で、私の顔を覗いて来るから、

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