リーシュコードにて
「なんだ、まだいたのか?
家に戻ってろって言っただろ」
やがて蒸しタオルで出来る限りの汚れを落とした誠が、
フロアに戻ると、床に座り込む玲子にそう言った。
傍らには、その腕に支えられた栄治が、
スウェット姿で、幽鬼のように蒼白い顔をして立っている。
「……誠さん、自分のオンナにすると扱いが冷たくなるの、あんたの悪い癖だよ。
だから、誰とも長続きしないんだ」
栄治は、玲子の広げた寝袋に滑り込みながらそう吐き捨てた。