最後の恋、最高の恋。
「もう、ほっといてください。」
そっとしておいて、もう私のことなんか気にしないで、二人で幸せになっちゃってよ。
私はとうとう再び自分の膝に顔をうずめた。
「美月ちゃん、一人で勝手に終わりにしないで」
「……意味が、分かりません」
ぐもった声で返事をする。
「あの日はね、」
「聞きたくありません!」
無理に話を進めようとする坂口さんの言葉を遮って、叫ぶようにそう言ったらその瞬間ガンッと派手な音が部屋中に響いて、肩がビクリと跳ねる。
恐る恐る顔を少し上げて自分の前髪と腕の隙間から様子を伺うと、坂口さんの拳がローテーブルに打ちつけられていた。