最後の恋、最高の恋。

「なんか学も美月ちゃんも似た者同士よねー、相手のこととかそれに関することじゃ強気なのに、じぶんに関することだと途端にヘタレっていうか弱気になるっていうか……」



雪さんもお姉さんの言葉に続いて、痛いところをついてくる。



「きっと美月ちゃんは自分の過去の恋愛の痛みを学に与えるって思ってるのかもしれないけれど、学だって美月ちゃんと同じなんだから美月ちゃんが元彼にそんなこと言われたからって傷つかないし、きっと美月ちゃんが感じたのと同じように、元彼に隙を見せた美月ちゃんに怒ると思うわよ？」


そしてそこまで学のことを分かっていながら、私に学を試すようなことをさせるお姉さんのエスっぷりに、泣きそうになった。


「ヘタレかどうか確かめるって言っても、ただ私は学をからかっていじめて遊びたいだけなのよ。　その遊びに美月ちゃんを巻き込んだだけなんだから、美月ちゃんは巻き込まれただけなのーって感じで私の駒となって動いてくれればいいの」

「そうそう、学だって茜にはいじめられ続けてきてるんだから慣れてるし、ちょっと行き過ぎたブラックジョークっていうか、大人の冗談っていうか……」


お姉さんに続いて雪さんまでもが種明かしをしてくれる。

なんだかんだでみんな学が好きで、からかいたいだけなんだ。

でもちょっぴり学に罪悪感を感じてしまうんだけれど、そこはお姉さんの言った通り“巻き込まれてしまった”精神を貫けばいいのだろうか。



また携帯を握りしめて、今度はにらめっこをしてしまう。



「真面目なのはいいことだけど、たまには学を振り回してみたいと思わない？」







……その言葉で私は見事に陥落された。