最後の恋、最高の恋。
手の中の携帯をぎゅっと握りしめていると、3人の視線がじっと集まったのが分かった。
「美月ちゃん、そんな深刻にならなくてもただのお遊びっていうかおふざけなんだから……」
困ったように笑みを浮かべる雪さんの言いたいことはわかるけれど、それでも嘘でもそういうことを言いたくないという気持ちが消えてくれない。
「わ、私ずっと相手の心変わりでフラれてきたから、嘘でもそういうこと言いたくないっていうのが、本音で……」
ぽろりと自分の本音を零すと、お姉さんが私の頭にぽんと手を置いて、その手が頬に滑り落ちてきたと思ったらそのまま頬を力いっぱい引っ張られた。
「ひ、ひひゃいでひゅっ」
涙目で痛さを訴える私の目の前には、やっぱり完璧な笑みを浮かべるお姉さんが至近距離で私を見つめていた。
「美月ちゃん、やっぱりあなたヘタレなんじゃない?」
そう言い終えると同時に頬から手が放されて、ヒリヒリする痛みを堪えながら頬をさする。