最後の恋、最高の恋。
「学、今電話大丈夫?」
今学が電話できる状態なのかを確認してから、今日学の部屋を掃除したこととか、お母さんとメールした内容とか何でもないことを話して、ついに切り出した。
「あのね、今日会ったの」
『ん? 誰に?』
「元彼」
私の答えに、しばらく学は無言になって一瞬電話が切れてしまったのかと思って液晶を確認したけれど通話中のままだったので再び耳に携帯をあてる。
「……学?」
恐る恐る名前を呼ぶと、『あぁ、ごめん聞いてる聞いてる。 で? 会ってどうしたの?』と学の声が聞こえた。
しばらく無言だったわりに、特にいつもと変わらない声音。
気づくと3人は携帯に耳をあてるようにして私のすぐそばに集まっていてつい苦笑い。
携帯から漏れる学の声を聴いているらしい。
「うん、より戻そうって言われた」
なるべく平静を装って口にして、すぐ近くにいる三人が三人とも親指を立ててくれたので切り出し方はOKだったらしい。
それに安心しながら、ドキドキして学の返事を待つと意外にも「ふぅん」という気の抜けた返事が返ってきた。
……あれ? それだけ?