最後の恋、最高の恋。


ぐるぐると一生懸命考えてるっていうのに、坂口さんは呑気な声で、


「うーん、俺的にはとっても嬉しい格好なんだけど、理性ぶっ飛ぶ前に直そうか」


なんて指摘をしてくれた。

どうやって開けたのか知りたい私には、坂口さんの言った言葉がすぐに理解できなくて、首を傾げると、笑顔のイケメンは、ピンを持った手の人差し指で私の方を指した。

その指につられるように自分に視線を落として初めて、自分の格好に気づく。

さっき飛び起きたせいで、でろんでろんのタンクトップの片方が肩からずり落ちて、ブラが半分丸見えになっていた。

今一番お気に入りの、淡い水色のチェックのブラ。
センターにある白のリボンと、カップの縁にあしらわれた小さな花のラインが、見事に丸見えだった。


「っ、」


声にならない声を出して、慌ててベッドにあった薄いタオルケットを頭からかぶった。


最悪だっ! こんな格好見られるなんて……。

っていうかむしろ、お気に入りのブラでよかったって喜ぶところ!?
古いブラじゃなくて、最近買ったばかりのブラでラッキーって、思っておいた方がいい!?
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