最後の恋、最高の恋。
「あーあー、いい大人の嫉妬は醜いねぇ」なんていう宮田さんの野次に、私はもう恥ずかしくて穴があったら埋まりたいくらいだ。
不機嫌な坂口さんを華麗にスルーした宮田さんは、何か走り書きしたメモ用紙をくれた。
「これ、メアドとケー番ね。 とりあえずは春陽ちゃんの家の住所に初心者用の説明付きのレースのキットを送るからそれやってみてね。 分からないところがあったらその都度聞いてくれて構わないから」
「美月ちゃん、それ貸して?」
「え?」
「誠人と連絡とる必要なんてないよ、俺が二人の仲介役やるからそれは捨てちゃおう」
「……もしかして、お前まだ美月ちゃんの連絡先知らないとか言っちゃうわけ?」
「……あ、」
呆れたように言う宮田さんの言葉で初めて、そういえば坂口さんの連絡先を知らないことに気付いたけど、私としてはレースのことを聞きたいし、坂口さんに取り上げられる前に11桁の数字とアドレスを頭に叩き込む。