最後の恋、最高の恋。


「あーあー、いい大人の嫉妬は醜いねぇ」なんていう宮田さんの野次に、私はもう恥ずかしくて穴があったら埋まりたいくらいだ。

不機嫌な坂口さんを華麗にスルーした宮田さんは、何か走り書きしたメモ用紙をくれた。


「これ、メアドとケー番ね。 とりあえずは春陽ちゃんの家の住所に初心者用の説明付きのレースのキットを送るからそれやってみてね。 分からないところがあったらその都度聞いてくれて構わないから」

「美月ちゃん、それ貸して?」

「え?」

「誠人と連絡とる必要なんてないよ、俺が二人の仲介役やるからそれは捨てちゃおう」

「……もしかして、お前まだ美月ちゃんの連絡先知らないとか言っちゃうわけ?」

「……あ、」


呆れたように言う宮田さんの言葉で初めて、そういえば坂口さんの連絡先を知らないことに気付いたけど、私としてはレースのことを聞きたいし、坂口さんに取り上げられる前に11桁の数字とアドレスを頭に叩き込む。

< 66 / 337 >

この作品をシェア

pagetop